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 My boss history  第三話

女子力を引き出す

百貨店は、女性の多い職場だけに、男子社員は何かと気を使う事が多い。私は、百貨店時代、一日2回は売場巡回する事を常としていた。

売場は情報の宝庫である。何が売れているのか、何が売れていないのか、何故売れているのか、そんな会話をしている中で、売場の攻め方を一緒になって考え、結果、コミュニケーションが高まり、販売力を高める結果となった。

ある日、ある売場をぬかして売場巡回をしてしまった。たまたまそこのスタッフは、ヘアースタイルを変えたその日であった。後で、秘書に散々叱られた。秘書は本人からかなり恨み言を聞かされたのであろう。以後、そういう事のないよう、気をつけて売場巡回をした。ところが、バレンタインで同じへまをやってしまった。例年、120個~130個程頂く、秘書が1個づつ付箋をつけて、誰から頂いのかはっきりさせるのだが、ホワイトデーが過ぎた頃、「社長は私にだけお返しがない」との苦情を、間接的に聞いた。驚いて、秘書に確認すると、付箋がはずれたチョコが1個あったとか、それが彼女から頂いたものと推測、すぐあやまりに行った。

試行錯誤しながら、百貨店の完成を目指していたが、社員の団結力は強かった。 特に女子スタッフ。トレーナーの長の下に、各フロアからトレーナーを選出、この団結心が強く、ここが基点となって、各スタッフの接客訓練が行われ、販売力の向上につながった。全て女性で、男性を介在させなかったのが良かったようだ。トレーナー軍団は、男子社員からも、テナント社員からも一目おかれていた。彼女達を、とことん鍛えたのが、外部コンサルト会社であった。開業前から月に一回、東京から来て頂いた。一年以上に亘る特訓で、トレーナーの長は、コンサルの先生の秘蔵っ子のような存在となった。

後年、私が今の事業を興し、新入社員教育で、彼女と連絡を取り、彼女の会社をコーチに指名したのは、かつての百貨店時代の実績を、まのあたりにみてきたからである。

畑中宣彦

次回に続きます。

HN-012
・我が家で、外商部員の面々
百貨店から近い事もあって、よく百貨店の連中が我が家に遊びに来る事が多かった。

HN-013
 
・私の秘書の結婚式に家内も招待されて

 

 

 

千葉県船橋市前原西1-4-7

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